〈打掛ドレスを纏う園田さん〉

かつて晴れの日に纏われた、

白地に鶴が舞う華やかな打掛。

その一着に込められた「祝福」や「祈り」を、

現代の感性で再構築したドレスが「よみがえる鶴」です

象徴としての鶴──長寿・繁栄・平和を願う

日本の美意識。

この打掛の柄には、

かつて誰かが未来へ託した思いが織り込まれていました。

fumikaはその物語を受け継ぎながら、

まったく新しい命のかたちへと変化させました。

立体的な襟と構築的なシルエットは、

鶴の羽ばたきを彷彿とさせ、

古典と前衛が共鳴するような力強さと

しなやかさを備えています。

襟のデザインを決めるのにとても時間が

かかりました。

いきなり本物の打掛の記事を使用するのは

怖いので紙で形やバランスを決めていきます。

これも違う、これも違うと

試行錯誤する時間が好きです。

立体で組み立ててバランスを見ます。

襟周りのプリーツのパターンも綺麗に引いて

打掛でプリーツの襟を作っていきます。

豪華さの中にも静けさがある

それは、装う人の内面の強さと、

時代を超えてなお美しい伝統への敬意。

このドレスは、単なる装いではなく、

忘れられかけた美の再生であり、

日本の文化と未来への希望を

そっとまとう一着です。

〈打掛ドレスを纏う園田さん〉