「ただいま」と言える場所

「ただいま」と言える場所

先日、家族と赤坂の高知料理屋で

食事をしました。

今は東京の別々の場所で暮らしていて

昔のように会話をすることも少なくなりました。

思春期には、理由もわからず苦しくて、

両親にきつくあたってしまったこともあったけれど

今では、自分の道を見つけ、

服づくりを通して生き生きしている私を見て、

「生きていてくれてよかった」と言ってくれる。

父は言いました。

「失敗しても、お家に帰っておいで」と。

「好きなことをしていい」と。

その言葉の重みは、

過去の私では受け取れなかったものかもしれません。

あたたかさは、遠回りしても、

ちゃんと胸に届くのだと知りました。

私たちの服は、時に「日記」のような存在です。
記憶や心情や小さな問いが、一着のなかに織り込まれている。
この「ふみの便り」は、その背景にある思索や感情の痕跡を、
そっと言葉にして残しておく場所です。

静かに、でも確かに。
まとう人の人生に寄り添う服であるために。
fumikaはこれからも、日々を見つめ、言葉を綴っていきます。